日本型CCRC「高齢者健康コミュニィティ」の実現をめざして(1)

光陰矢のごとし、とはよく言ったもので、2013年もあと二か月となりました。一年は早いですね。
今年の一大イベントとなるプレゼンテーションが、
ASIAN AGING SUMMIT 2013 (国立長寿医療研究センター主催)で行われます。SUMMIT 11121314日の三日間のプログラムで、私は第2日目の午後B-2ワークショップ:超高齢社会の「住」のあり方2“街”と”家“の視点から考える、で「日本型CCRCの実現に向けて」という題目で20分講演させていただきます。
1992年にジョン・エリクソンが開発したCCRC“チャールズタウン”と出会い、米国から帰国後、CCRCを日本に普及させ、エリクソンJAPANを創造することを私の使命としてきたつもりでした。しかしながら、当時は、多額の補助金をもらう特別養護老人ホーム等介護施設(米国のナーシングホーム)を全力で造り上げる時代でしたので、自立型住まいを中心とするCCRCなど市民権を得ないのが当然であったかもしれません。
しかし、時代は流れ、変化してきました。特に超高齢化と、財政問題で、高齢者が寝たきり、介護が必要になってから対応する流れから、要介護にならない予防へ重点が移されてきました。また「自助」、「互助」といった概念が「公助」に加わって重要視されるようになり、それが地域包括ケアシステムに中心となっています。
介護施設は
134万人分以上整備されてきましたが、未だ日本には、自立を支援する自立型住まいは8万人程度しかありません。欧米先進国では介護施設より自立型住まいが多いのが現状です。やっと日本でも、自立型住まいが市民権を得る時代がやってきたと思います。
ASIAN AGING SUMMIT 2013では、自立型住まいを中心とする「CCRCとは何か?」、「日本でCCRCを実現するために何が必要か?」今回は、サミットを前にじっくり整理してみました。その結果、6つの条件として整理できました。
その内容は次回のブログで発表したいと思います。
なお、以下がASIAN AGING SUMMIT 2013Webサイトです。
直接聞かれたい方、興味のある方はぜひご参加ください。
http://www.nikkeibp.co.jp/aging/summit/2013/program2.html
よろしくお願いいたします。
窪田昌行

 

日本型CCRCの和名を「高齢者健康コミュニティ」とする

 

日本の文化と風土に合った日本型CCRC開発のアイデアが生まれたのは、1992年、エリクソンシニアリビングCEOのジョン・エリクソン氏と出会ったことから始まります。その時、エリクソン氏からCCRCの経営・管理について教えてもらう幸運を得ます。その後、2005年、2007年に再度訪米し、CCRCの詳細な仕組みをジョンから学びました。

それから、20年余りが経ち、日本型CCRC開発の3つの課題を解決し、これからその構築に取り組んでいこうとしています。

そのような折、共同研究者の九州大学医学部の馬場園教授が、大学からの依頼で医学部ライブラリを執筆することになりました。そのテーマを検討した結果、米国のCCRCを紹介し、日本型CCRCをテーマとして書くことになりました。私は日本型CCRCをつくり上げていく上で米国のCCRCから学ぶこと、およびこれまで4つの医療法人と研究してきたケーススタディの内容について、「医療福祉経営マーケティング研究会誌」に発表した内容をまとめ直すことを担当しました。

そこで、問題となったのが、「日本型CCRC」という言葉でした。なかなかわかりにくいということ、和名の方がわかりやすいということもあり、これまで、日本版CCRC、日本型CCRCと呼んできたものを、「高齢者健康コミュニティ」と変更することにしました。

ちなみに、その本の中で、「高齢者健康コミュニティ」が役割を果たす要素は主に次の4つです。

1.自立型、支援型、介護型の3種類の住まいともつこと

23種類の住まいに応じて継続したケアと提供すること

3.経営の自立性、透明性、そして安定性が高いこと

4.入居一時金が50100%返還されること

特に日本では、支援型の住まいという概念がなく、自立型住まいがほとんど整備されていません。

執筆中の著書の中で、米国ノースカロライナ州のCCRCと福岡県の自立型住まいというべき有料老人ホームを比較しています。その結果、福岡県の自立型住まいをもつ有料老人ホームは富裕層を対象としたもので、米国のCCRCは多くの中間層が入居、生活できるという点で商品の価値が根本から異なるわけです。

これから、日本型CCRC~「高齢者健康コミュニティ」を構築していくために、P.ドラッカーのいう「われわれの計画は何か?」を問いかけ、その実現に向けて具体的に取り組んでいくつもりです。

なお、冒頭で話したジョン・エリクソンとは、この513日、中国、上海で、中国型CCRCのグランドオープンセレモニーに招待され、そこで再会し、「高齢者健康コミュニティ」の成功に向けたアイデアとアドバイスを頂きました。ジョンと上海で再会した内容、中国型CCRCは、本ブログの別の稿でお話しできればと思います。

今回は日本型CCRCを、「高齢者健康コミュニティ」と和名に命名したことをお知らせします。これから、その実現のために一歩一歩確実に進んでいきたいと思います。
その際に、稲盛和夫氏が、
1982年の京セラの経営方針発表会の席上で発表したスローガン、

「新しい計画の成就は、ただ不屈不撓の一心にあり。さらば、ひたむきにただ想え、気高く、強く一筋に」

これは、積極的思考を説いた哲人、中村天風氏の言葉です。このスローガンはJAL再生の計画実行の際にも活用されました。

わたしも、これから具体的な計画を立て、失敗を恐れず、ひたすらに「高齢者健康コミュニティ」を構築していくためにこのスローガンを肝に銘じていきたいと考えます。

窪田昌行


CCRC創造のための5つの質問:ミッション

 

「われわれのミッションは何か?」ピーター・ドラッカーの最も大切な5つの質問の第一番目の問いかけである。ちなみに5つの質問は次のとおりである。

ドラッカーは、この「最も大切な5つの質問」とは、いま行っていること、行っている理由、行うべきことを知るための経営ツールであるといっている。それは次の通り:

1.「われわれのミッションは何か?」

2.「われわれの顧客は誰か?」

3.「顧客にとっての価値は何か?」

4.「われわれにとっての成果は何か?」

5.「われわれの計画は何か?」

 また、ドラッカーは真実をさらりと言ってくれる。「組織はすべて、人と社会をより良いものにするために存在する。すなわちミッションがある。目的があり、存在理由がある。」マネジメントの中核にあるものがミッションである。

では、CCRC研究所のミッションは何か?

さらに、ドラッカーは続ける。

「ミッションとは、人にかかわるものである。それは、心底からくるものである。したがって、リーダーたる者は、組織のメンバー全員がミッションを理解し、信条とすることを確実にしなければならない。」

 また、ミッションを規定するものとして、いわゆるミッション・ステートメントは、Tシャツに似合う簡潔なものにしなければならない、と言っている。

それは、「何を」、「なぜ行うのか」を表すものである。いかに行うかを表すものではない。

さらに、ミッションは大きくしなければならない。無限大でさえなければならない。しかも、直ちに行動に結びつくものにしなければならない。

「私は貢献している」と誰もが言えなければならない。人を行動に駆り立てなければならない。全員が「そうだ。これが、私が憶えられたいことだ」と言えなければならない。

では再び、いまCCRCのミッションは何か?と問いかけてみる。

私と私の研究パートナーは、CCRCContinuing Care Retirement Community)の日本語訳を「高齢者健康コミュニティ」とした。

とすれば、ミッションは「日本流のCCRCを創造することである。」

日本流のCCRCを日本版CCRCと多くの文献で述べてきた。であれば、ミッションは「(日本版CCRC=)高齢者健康コミュニティを創造する」である。ミッションとして、創造するものをCCRCとするか?、それとも日本語の高齢者健康コミュニティとするか?、迷うところである。ドラッカーはどちらが正しいというか?考えるところでもある。
また、日本版
CCRCとしたが、日本型CCRCという概念もワンプレシス型ではなく、ネットワーク型というシステムで定義した。

日本流CCRCがいいのか?も悩むところである。

考え方は、日本流CCRCに二つのタイプ‘本版CCRC、日本型CCRCという分類にしてはどうかという意見にもなる。

一方、CCRCという概念が普及していないので、説明する必要があり、弊社のホームページ冒頭にのせている、「医療・介護に不安のない環境で、できる限り長く自立し、豊かに暮らすCCRC高齢者健康コミュニティをつくる」ということに帰結する。

ミッション・ステートメントが少し長くなり、ドラッカーがいうように、Tシャツには簡単に書けないが、書けないこともない。

そんなことを考えている折、アメリカ人の友人マーク(以前紹介したが)から、中国で上海CCRCが完成したということで、そのグランドオープンへの招待状が届いた。513日、上海に行く予定である。

また、先を越されたか?
日本版CCRC開発における最大の課題は「一時金の返還」である。この件も早く方針を決めたいと考える。この
8月までに方針を決めるつもりである。

ことし2013年、団塊の世代が65歳以上前期高齢者に入ったが、団塊の世代が75歳になったとき、高齢者が安心安定して、豊かに暮らせるCCRCが利用しやすい価格帯で、たくさんできている必要がある。

我われのミッションは、社会のニーズの合致しているはずである。

問題は私の熱意が不足していることである。マークに刺激されて、今年こそ、スタートしなければいけないと深く反省している次第である。

CCRC高齢者健康コミュニティに関心のある事業家・投資家の方があれば、連絡いただければ幸いです。よろしくお願いいたします。

CCRC研究所 窪田昌行


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