日本版CCRC普及の為のリーダーシップ開発プログラム

 日本の高齢化は、2010年時点で二位のドイツ(20.47%)より2.1%高く、22.57%と報告され、2050年には、37.84%となり、人口の4割が65歳以上の高齢者となると予測されています。ちなみに、戦後直後の1950年、60年前の日本の高齢化は、4.93%で、このときの高齢化率の一番高い国はフランスで、高齢化率は11.39%でした。その後フランスは2010年に16.96%、2050年の高齢率は26.91%と予想されています。フランスの少子高齢化対策が成功していることがうかがわれます。また、フランスの高齢者医療ケアは最近在宅医療へと大きく舵をきっており、「在宅入院」というコンセプトを構築しています。

さて、高齢化社会という用語は、1956昭和31年)の国際連合の報告書において、当時の欧米先進国の水準を基に、7%以上を「高齢化した (aged)」人口と呼んでいたことに由来するそうです。一般的には、高齢化率65歳以上の人口が総人口に占める割合)によって以下のように分類されます。


 高齢化社会
   高齢化率7% - 14%

高齢社会      14% - 21%

超高齢社会    21% -

日本は1970昭和45年)に高齢化社会に、1994平成6年)に高齢社会になり、2007平成19年)には超高齢社会となりました。国連は、高齢化率が7%になった時点から、国の高齢化が進むことを予測し、高齢者のインフラを準備していくよう指導しています。 また、高齢化の速さという点で日本は今までトップを走っています。日本の高齢化が7%から14%に進む速さは早く、前述のように1970年に7%、1994年に14%となり、24年要している。一方フランスは115年(18641979)であり、英国が46年(19291975)、米国が72年(19422014)です。

 日本よりも高齢化の速度が速い国があります。
 韓国とシンガポールです。韓国は18年(20002018年)、シンガポールが16年(2000年〜2016年)です。ちなみに中国は25年(20022027年)です。アジアの経済力の強い国が日本の高齢化を後追いしてきます。韓国は日本の介護保険制度を研究し、日本から8年遅れ、20087月施行されました。


 また、先日の日経新聞(2月15日)に、「日本の介護、中国進出」というタイトルで、日本の介護事業者が中国市場に相次ぎ参入する例がありました。現地で有料老人ホームや通所介護(デイサービス)施設を開設するほか、介護人材の育成支援を始めるという記事です。
 特に民間の有料老人ホーム事業者が中国にその運営ノウハウ、人材育成プログラム等を輸出し、中国進出を果たしている企業の紹介がありました。

 これから、2050年に向けて、高齢者ケア事業は、日本国内だけにとどまらず、そのノウハウの重要性が高まっていくことは必至です。高齢者ケアのノウハウは経営、運営であり、マネジメントのノウハウです。

 日本版CCRCを構築していくためには、高齢者ケアで働くスタッフのマネジメント、リーダーシップ開発プログラムの開発が必要です。CCRC研究所は、日本版CCRC開発・普及のために、マネジメント・リーダーシップ開発プログラムの研究に真剣に取り組んでいきたいと考えています。

窪田昌行


「ザッポス伝説」における起業家マネジメント(2)〜企業文化の構築

 

マイケルポーター教授は、製造業における戦略競争モデルとして、競争優位の戦略の中で、バリューチェーンモデルを提案し、多くの業界では注目されてきました。しかし、このバリューチェーンモデルは、サービス業では適用できない戦略モデルだと考えます。そこで、以前からサービス業における競争モデルはどういったモデルになるのかと考えている中で、人材を中心とした「サービスプロフィットチェーン」というモデルと出会い、まさにサービス業の競争力は、企業のスタッフと顧客の接点が唯一の生産の場であり、その顧客との接点で職員が提供するサービスの価値こそが、サービス業の競争力が決まるというのは、まさにその通りだと考えます。

 高齢者サービス事業、高齢者住宅事業(日本版CCRC事業)でも、人材が競争力の原点になります。サービスプロフィットチェーンについて、説明してある「いかに『サービス』を収益化するか」(DIAMONDハーバードビジネスレビュー編集部、ダイヤモンド社)には、その点について、以下のように記載されています。

「好業績を上げているサービス企業の経営トップは、1970年代から80代に一般的だった経営行動、つまり利益目標の設定や市場シェアへの傾倒に時間を費やしたりしない。新しいサービス経済においては、「市場と日々接する最前線の顧客を企業経営の要とすべきである」と理解している。

 サービスプロフィットチェーンの流れは次のような7ステップをたどります。

1.収益性と成長性の原動力は顧客ロイヤリティである

2.顧客ロイヤリティの原動力は顧客満足である

3.顧客満足の原動力はサービスの価値である

4.サービスの価値は従業員の生産性を高めることで創造される

5.従業員の生産性の原動力は従業員ロイヤリティである

6.従業員ロイヤリティの原動力は従業員満足である

7.従業員満足の原動力は社内サービスの質である

すなわち、サービス業において、収益をあげ、成長していくためには、「サービスを提供する顧客の接する従業員の満足を高めるために、企業の従業員サポート体制が経営の要である、ということです。そのために、人的資源への投資、最前線の担当者をサポートする技術、新しい採用方法、トレーニング、そして全階層の従業員に対する実績ベースの報酬を充実していくことが重要になります。

本荘修二氏が、昨年122日に監修出版した、「ザッポス伝説」(トニー・ショイ)の中で、10年間で1000億円の企業を創造したザッポスの伝説の根底に、従業員をザッポスの考える企業理念、企業文化に合った人材を丁寧に選び、採用した人材に丁寧な教育、投資をしている点は、高齢者サービス事業(高齢者住宅、日本版CCRC事業)の経営管理においても、きわめて重要なことだと考えますので、参考になると思います。従って、高齢者サービス事業に関連する企業は、企業理念、企業文化(わが社が大切にする価値は何か)を丁寧に考え、文書化することはきわめて重要なことだと考えます。


calendar
      1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
3031     
<< July 2017 >>
selected entries
categories
archives
links
profile
search this site.
others