地域包括ケアと日本版CCRC

 日本はいま、大きな転換期を迎えています。日本の現状に問題があることは、多くの人に認識され、いよいよ具体的な方向性を打ち出す時期に来ています。すなわち、世界に類を見ない少子高齢化と人口減少、財政問題についても、毎年の収支と累積した長期債務の問題、さらに国の富であるGDPの減少など、複雑な問題が重なってきています。このような時代認識を背景に、これからの医療介護の問題をどうしていけばいいのか、真剣に議論、検討されなければならない時が来たと考えます。
 新しい一歩を踏み出すとき、どの方向にいけばいいのか、その答え、方向性を模索する中で、厚労省は欧米福祉先進国の今までの対応を参考にしています。日本の将来像を考えるとき、日本を海外から見ることは重要です。例えば、次の言葉は、インターネットモールを事業化、成功させた楽天、三木谷CEOの言葉です。
 「日本だけを見ていると、日本のことがよく見えなくなる。 外国に行ってはじめて、日本の姿が見える。あるものの特徴とか、特殊性は、他のものと比較したときに、はっきりと見えるのだ。グローバル化するとは、外から日本を眺めるということでもある。つまり日本をより良い国にするために、グローバル化するのだ。」
 高齢者の医療、介護問題が国民の間でも議論され始めた折、政府は、本年4月、今後の新しい高齢者ケアの未来像として「地域包括ケア研究会報告書」を公表しました。この報告書の中心になっている考え方は、団塊の世代が75歳以上を迎える2025年を目標とし、医療・介護・住宅とそのほかの福祉サービスを30分以内で駆けつけられる日常生活圏の中で、切れ目なく提供できる体制を作るのが目標とされています。
 「地域包括ケアシステム」の内容は、24時間巡回型の在宅ケアの中心となる複合型拠点と施設から高齢者住宅へのシフトなど、いままでCCRC研究所が提案してきた内容と一致する部分が多々あります。また、本報告書でめざす地域包括ケアは、海外の次の二つの国の高齢者医療ケアシステムがベースになっているものと考えます。
1.デンマークの地域包括ケアシステム
2.アメリカの「高齢者のための包括的ケア・プログラム」PACE(ペイス)「Program of all-inclusive care for the elderly」 
 アメリカのPACE(ペイス)はCCRCと同じ機能をもつ包括ケアシステムです。  デンマークの地域福祉ビジョン、アメリカのPACE(ペイス)の高齢者包括ケアを支えていく主要なシステムは次の7つに集約できます。
1. 24時間巡回型在宅介護、看護システム
2. 多様な高齢者住宅
3. 通い、訪問、泊まりサービスや医療系サービスを柔軟に提供する複合型事業拠点
4. 予防プログラムも考慮した地域交流センター
5. 高齢者ボランティア団体
6. 在宅医療システム
7. 人材教育システム  
 この7つのシステムは、2025年を視野においた目標とする量を100%とすれば、未だこれらの5%も達成できていない状況でしょう。私どもCCRC研究所はこの7つの事業に取り組んでいきたいと考えています。それぞれ7つの事業の具体的な内容については、このブログの中で順次ご紹介していきたいと考えます。
 CCRCについては「医療福祉経営マーケティング研究、第4巻 第1号」 窪田昌行 他を参照ください。

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