待ったなしの社会的入院改革と日本版CCRC〜高齢者健康コミュニティの必要性

新しい年、2010年に入り2ヶ月が過ぎ、日本内外でデフレは加速し、価格と品質の問題について抜本的な見直しを迫られています。また今回のトヨタ問題は、車の安全という経営の基本が問われ、日本経済に大きな衝撃を与えると共に、新しい経営のあり方が求められてきていると思われます。
一方、医療の世界では、これから日本は急激な高齢化を迎えるにあたり、医療保険制度に新しい組み立てが必要となってきています。そのような中、平成22年度診療報酬改定が話題になっています。厚生労働省が、今回の改訂に係わる基本的な考え方は次のようなことです。

○医療は、国民の安心の基盤であり、国民一人一人が必要とする医療を適切に受けられる環境を整備するため、医療提供者や行政、保険者の努力はもちろんのこと、患者や国民も適切な受診をはじめとする協力を行うなど、各人がそれぞれの立場で不断の取組を進めていくことが求められるところである。
○我が国の医療費が国際的にみてもGDPに対して極めて低水準にあるなかで、これまで医療現場の努力により、効率的で質の高い医療を提供してきたところであるが、高齢化の進展による患者増などにより、医療現場は疲弊してきている。

この考え方を遂行していく改定視点として、4つの視点をあげ、その中で、高齢者に関連する視点として、次の点があります。
「高齢者に関係して患者の視点に立った場合、質の高い医療をより効率的に受けられるようにすることも求められるが、これを実現するためには、国民一人一人が日頃から自らの健康管理に気を付けることはもちろんのこと、生活習慣病等の発症を予防する保健施策との連携を図るとともに、医療だけでなく、介護も含めた機能分化と連携を推進していくことが必要である。 このため、“医療と介護の機能分化と連携の推進等を通じて、質が高く効率的な医療を実現する視点”を今回の診療報酬改定の視点の一つとして位置付けるべきである。」
 昨今、病院の社会的入院が大きな社会的問題となっている中で、一方、医療ニーズの高くない高齢者が医療機関に長期間入院していることで、医療の世界に人手不足が起こっていることも事実です。このため、高齢者のケアでも、医療以外で対応できるものは医療以外で対応すべきです。高齢者が病気や障害をもった場合、その生活の支援のすべてを医療が担うのは効率的ではないし、高齢者の生活の質を向上させることもできないからです。
さらに、現状の医療保険制度では、医療を必要とする高齢者が2025年には、現在の約二倍になると予測されており、現状のままでは、その破綻は容易に予測できます。すなわち、社会的入院の改革は待ったなしのところへ来ているといえます。
 以上のような国の方針と現状を踏まえれば、欧米福祉先進国のように、わが国でも、高齢者住宅とクリニック(在宅療養支援診療所)、訪問看護ステーション、訪問介護ステーションを併設、もしくは連携すれば、私どもが提唱している日本版CCRC〜高齢者健康コミュニティが開発できます。この高齢者健康コミュニティで、高齢者の自由と選択が尊重されるマネジメントを行うことができれば、公正に効率よく資源を配分することによって、社会への貢献は計りしれないものがあると考えます。

参考文書(原文):窪田昌行 ケーススタディ
上記ケーススタディ 文献(J-GLOBAL):有床診療所を核とした新しい地域医療ケアシステムの構築 窪田昌行 他

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